美容師の「業務委託」とは?

今、「業務委託」で働く美容師が急激に増えているのをご存知でしょうか?

業務委託に限らず、雇用形態や働き方が多様化している昨今、自由度が高い一方で、自分自身で選択しなければならないことも多くなっています。
たくさんある雇用形態の選択肢のなかで「どのような働き方いちばん自分に合っているのだろう…」と悩む方も多いことでしょう。

今回は、なぜ業務委託が多くの美容師に選ばれているのか、そもそも業務委託とはどのような働き方なのかを解説。
働くうえでのメリットやデメリットについて詳しく紹介していきます。

美容師として、どのように活躍していけばいいのかと迷っている方の参考になれば幸いです。

美容師の契約形態について

まずは、主な契約形態の種類について簡単に説明します。

美容師の契約形態

  • 雇用契約…事業会社の従業員となって働く
  • 派遣契約…登録した派遣会社から事業会社に派遣される
  • 業務委託契約…会社から個人(または企業)へ業務を委託される


ひとつ目は、事業会社の従業員となって働く「雇用契約」、ふたつ目は、登録した派遣会社から事業会社に派遣される「派遣契約」、もうひとつの働き方として挙げられるのが、会社から個人(または企業)へ業務を委託される「業務委託契約」(正確には「請負契約」「委任/準委任契約」といいます)」です。
最近では「フリーランス」という言葉もよく聞かれるようになりましたが、フリーランスとは、企業と業務委託契約を結んで働いている個人のことを指します。

今回はその中から「業務委託契約」についてお話したいと思います。

▼他の働き方については、下記の記事でもご紹介しています。ぜひご覧ください。

業務委託契約とは

業務委託契約とは、簡単にまとめると「個人事業主として業務を請け負う働き方」ということです。

近年は、業務委託契約を結んでいるフリーランスの美容師のみで構成されている美容室もでてきており、業界では「業務委託サロン」と呼ばれ、浸透しつつあります。

業務委託契約を結ぶと、自分の技術を活かして自由な働き方が実現します。
しかしながら、雇用契約ではないため、労働基準法が適用されない働き方であるというデメリットもあります。
また、美容室や契約内容によっては努力しなければ収入が安定しないという側面もあるのです。

業務委託契約で働く場合、働き方の違いや契約内容、報酬などをしっかりと把握したうえで選択することが大切です。

次項では、業務委託で働くメリットとデメリットについて紹介します。

美容師の業務委託で働くメリット・デメリット

業務委託、いわゆるフリーランスとして働くうえでの大きなメリットは、基本的に無理な残業がなく、調整すれば土・日・祝などにも休むことができる点です。
契約内容によりますが基本的にはシフト制を導入している美容室が多く、勤務時間が明確に決められているからです。
美容師の多くが、一度は「今日も残業か。もっと早く家に帰りたいな」「土日は忙しいから休めないな」という悩みを持ったことがあると思います。業務委託であればその悩みが解消でき、自由な時間が格段に増えるのです。

また、金銭面においては、完全歩合制で会社員として働くよりも還元率が高い場合が多く、頑張ったら頑張った分だけ報酬を得ることができる点が魅力です。
美容室の設備はもちろん使えますし、美容室側で集客を行ってくれることもあるため、そういった面では経費がかからない点もメリットと言えるでしょう。

一方で、不安なのは福利厚生面です。
業務委託の場合、社会保険はなく、国民年金や国民健康保険に自身で加入して自身でその保険料を支払わなければなりません。(社会保険完備のサロンの社員であれば、大体は保険料の半分をサロンが負担してくれています)
自分自身で支払い、負担する保険料や経費が発生するため、収入によっては社員として働くよりも手取りが低くくなる場合があるので注意が必要です。

また、個人事業主は確定申告をする必要があり、給与や経費、税金の支払いについてもしっかり管理をしなければなりません。
このように、自分自身で多くの手続きをしなければいけない点は、社員として働く場合との大きな違いです。

ちなみに、経営側が業務委託を歓迎する理由のひとつとしても、社会保険や雇用保険に加入させる必要がなく、諸経費の負担が減るという点が挙げられます。また、雇用契約ではなく委託契約なので、状況によって契約を解除しやすいということも受け入れる理由のひとつです。

◆業務委託で働くメリット

  • 自分のペースで自由に働ける
  • 無理な残業がほぼなく、休みづらい土・日に休める
  • 設備や集客への経費がかからない
  • 収入が増える(場合がある)


◆業務委託で働くデメリット

  • 社会保険などの福利厚生はなし
  • 国民年金や保険は自腹
  • 確定申告も自分で行う
  • 社員と比べて雇用不安のリスクがある


女性が気になる福利厚生「産休・育休期間」について

業務委託契約を選ぶ際に、特に女性にとって気になるのが、妊娠・出産に伴う「働けない期間の保障」についてだと思います。

先に説明したように社会保険などの福利厚生はない場合がほとんどのため、業務委託には産休や育休の制度は存在しません。よって、働けない期間については美容室側からの給与の保障などもありません。

妊娠、出産は女性にとって、大きなイベントです。
自分のライフプランに適した契約内容なのかはしっかり検討しましょう。

業務委託に適している美容師とは?

先に紹介した通りスケジュールを自由に決められるため、「プライベートや家庭を優先させたい方」にはぴったりの働き方です。

中には女性の働きやすさを重視する業務委託サロンもあり、そうしたサロンを選ぶことで美容師として働きながらプライベートもしっかり充実させたワークライフバランスを実現できる可能性があります。

業務委託で採用される美容師の特徴

どのような人材が必要とされるかは、美容室によってさまざまです。

以前ならば、スタイリストとしての経験年数や現場経験の有無・年数が必須とされていましたが、最近では「スタイリスト未経験OK」の美容室も増えています。

自分自身の技術や希望の働き方と、美容室側の希望がマッチするかをしっかり検討することが採用される近道といえるでしょう。

未経験から業務委託でスタートする場合の注意点

先ほど「スタイリスト未経験OK」の美容室も増えていると紹介しましたが、キャリアアップをしたいと考えている方は注意が必要です。

なぜかというと、業務委託の場合、美容室での研修や勉強会がない場合が多く、日々自分で学び、スキルアップをしていく必要があるからです。
その為、未経験から業務委託で働いた場合には労働環境には自由度が高く満足できる一方で、キャリアアップの道については他の契約形態に比べて、険しい道になるといえます。

美容師資格を活かした多様な働き方も

様々な働き方がある中で、会社員として働く場合、派遣社員として働く場合、業務委託として働く場合、それぞれにメリット・デメリットがあります。

現在の自分の希望や美容師としてのキャリアプラン、将来の結婚・出産などのライフプランと合わせて検討すれば、必ず「自分に合った働き方」が見つかりますよ。

また、本記事では美容師の業務委託契約について紹介してきましたが、「しっかり保障された環境で安定して働きたい」という希望が強い方は、美容師免許を活かした他の仕事を選択する、というのもひとつです。

美容師以外でも安定して活躍できる!多様な美容の世界

美容師資格は美容室で働く以外にもたくさんの選択肢があります。
美容業界での活躍の場は、多様に広がっているのです。

ここからは、「美容師免許を活かし、安定した環境で、ワ―クライフバランスを実現したい」という想いを実現したお二方のインタビュー記事をご紹介します。

まず一人目は、未経験から「パーツ美容専門職」へ挑戦したAさんの事例です。
二人目は、産休・育休を経てワークライフバランスを実現しているIさんのインタビューです。
おふたりとも、仕事もプライベートも充実させ、イキイキと働いていることが伺えましたね。

美容師としての働き方に迷われている方や、自分に合った働き方を見つけたいとお考えの方は、ご紹介させていただいたパーツ美容の世界もぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

あなたらしい美容師のカタチを見つけてください!

今回は、美容師の業務委託契約についてご紹介しました。
近年人気の高まる業務委託契約という働き方には、自由度の高い働き方や報酬面での大きなメリットがある一方で、福利厚生面や雇用面におけるデメリットが多いのも事実です。
ぜひご自身の希望やライフプラン、今後のキャリアに合わせて、納得のいく働き方を見つけてくださいね!

インタビュー記事でご紹介したAさん、Iさんの働く眉専門サロン【アナスタシア ミアレ】を有するピアスグループでは、産休・育休制度や選べる休日休暇など、安心して働ける労働環境がしっかり整っています。
また、きちんとキャリアアップできる、段階を踏んだ研修制度や資格取得支援制度なども充実。
【長く働きやすい環境とキャリアアップ】のどちらも実現可能です。

ぜひ、選択肢のひとつとして、ご自身のご希望と照らし合わせてみてはいかがでしょうか?
美容師として働く道は決してひとつではありません。あなたらしい美容師のカタチ、働き方を見つける参考になれば幸いです。

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